オートレースコラム

オートレースのタイヤは勝負の鍵を握る部品!タイヤの重要性を紹介

オートレースのタイヤは勝負の鍵を握る部品!タイヤの重要性を紹介

オートレースは実力が勝敗をわける実力勝負の世界。
しかし、実力だけではなく車両の状態、とくにタイヤの状態こそが勝負の鍵を握っているといっても過言ではありません。

では、なぜオートレースにおいて選手の実力以上にタイヤの状態が重要になってくるのでしょうか?

当記事ではオートレースの勝負の鍵を握るタイヤの重要性、特徴をご紹介します。
タイヤの特徴を知ることはレースの予想力をアップさせることにもつながるため、ぜひタイヤの特徴を覚えて予想に役立ててください。

オートレースにおけるタイヤの重要性は高い。

オートレースタイヤ

タイヤ・エンジン・フレームなどさまざまな部品で構成されるオートレースのバイク。
そのなかでもタイヤの重要性はとても高いものです。

オートレースにおけるタイヤは、走行する路面との唯一の接地面。つまり、タイヤの性能こそが最高速度150km/hものスピードで走るレースを実現させています。
また、タイヤは走行性能だけではなく高いグリップ力を持ち、スリップなどの横滑りを防ぎながら安定した走行を可能にする部品です。

もし、タイヤがひとつ変わっただけでもレース中の走行性能に大きく影響をおよぼし、タイムやレースの順位も変わってくるでしょう。

なお、2015年2月以前は『KR-73』という銘柄のタイヤがレースで使用されていましたが、それ以降は性能が高まった『KR-73S』というタイヤが使用されています。

以下では、オートレースで使用されているタイヤがどのようなものなのか見ていきましょう。

オートレースでは三角タイヤを使用

オートレース三角タイヤ

オートレースで使用しているバイクは『三角タイヤ』と呼ばれる断面が尖った三角形のタイヤを使用しています。

オートレースのコースは左回りのオーバルコース。つまり、レース中のほとんどはバイクを左に傾斜させながら走行しています。そのため、平らなタイヤを使用してしまうと路面との接地面が少なく、安定して走行ができません。
一方オートレースで使用されている『三角タイヤ』は断面が尖っているため、バイクを傾斜させることで路面との接地面が増え、安定した走行が可能となっています。

また、『三角タイヤ』の接地面をさらに増やすために、新品のタイヤを購入後はトレッド面をサンダーで削ったり、当たり付けをおこない、接地面を増やします。

新品のタイヤでさえも一般的なタイヤと比較すると尖った形状にもかかわらず、さらに接地面を増やすための作業をおこなうことからも、いかにオートレースは限界ギリギリの走行をしているのかがわかるでしょう。

天候に関係なく同じタイヤを使用する

オートレースは2輪のバイクのため、路面に接地するのは2つのタイヤだけ。そのため、雨天時など走路が濡れている状況ではグリップ力が低下して安定性が悪くなってしまいます。安定性が悪くなれば、スリップや横滑りによる落車事故による危険性も高まってしまうでしょう。

そのため、グリップ力が低下する雨天時は雨用タイヤを用いると思われがちですが、実は天候に関係なく同じ銘柄のタイヤを使用しています。ただし、同じ銘柄のタイヤであっても、雨天時にはトレッドの高いもの、晴天時にはトレッドの低いもののように使い分けをしてレースに挑みます。

タイヤの寿命は4~5レース

オートレースで使用されるタイヤの寿命は4~5レース。実際のレースだけの走行距離を考えても約15.5kmほどで寿命が訪れてしまいます。一般的なバイクのタイヤの寿命は約1万kmのため、タイヤの寿命がかなり短いことがわかるでしょう。

タイヤの寿命が近づいても走行自体は可能ですが、グリップ力が低下し、本来の実力を発揮できないだけではなく、スリップや横滑りの危険性も高まります。

そのため、選手たちはタイヤの状態を一番に気にかけ、常に最高のコンディションで走行できるようにメンテナンスを欠かせません。

タイヤの価格は約7,000円

オートレースのタイヤの価格は1本約7,000円。レースへの出場回数などによっても異なりますが、月に2本~7本程度を購入するという話です。

つまりタイヤの維持費だけでも月に14,000円~49,000円、1年間に168,000円~588,000円もの高額な維持費がかかってしまいます。

さらに、オートレースの選手は個人事業主。タイヤの費用はすべて自己負担となります。成績を残せていない選手は獲得賞金が少ないため、タイヤなどの消耗品の費用が大きな負担となり、バイクの整備費用を稼ぐためにアルバイトなどの副業をおこなう選手もいます。

タイヤは新品では使えない!

オートレースで使用するタイヤは、新品購入後はすぐにレースで使用できる状態ではありません。一般的なバイクでもあるような慣らし走行(当たり付け)などをおこなってから、レースで使用します。

新品のタイヤは以下の工程をおこない、レースで使用できる状態に仕上げます。

  • タイヤ表面のボツボツしたイボをサンダーで削り取る
  • タイヤをはめるリムの状態を確認
  • タイヤをはめてバランス機で調整
  • サンダーを使用してトレッド面を削る
  • フロント20周、リア8周くらいを目安に実際の走路を走行して当たり付けをおこなう

これでようやく新品のタイヤがレースで使用できる状態に。さらに、一度使用したタイヤの溝が低くなった場合はコテを使用して溝を掘って、次のレースで使用します。

タイヤの交換速度は前後あわせて約1分

タイヤの摩耗状態、路面の状態、天候の状態などを加味してタイヤ交換をおこないます。

タイヤ交換は前レースの本場締め切り3分前まで可能。試走後に雨などが降った場合は交換できませんが、状況に応じたタイヤをバイクに装着しなければ勝利を手にできないでしょう。

選手たちはタイヤの交換は頻繁におこなうため、交換速度はおどろくような早さ。なんと前後のタイヤ交換にかかる時間は約1分。

一般的なバイクのタイヤ交換をバイク屋に依頼した場合でも、約1時間以上はかかるのが普通です。バイクのメンテナンスをおこなうプロの作業時間を大幅に超える早さで交換できるのは、日ごろから多くのタイヤ交換をおこなっていることがうかがえしれるでしょう。

オートレースのタイヤは戦いの生命線!

オートレースにおけるタイヤは、まさに勝負の行方を左右させる鍵となる存在。左回りのオーバルコースで安定して走行できる独特な特徴を持ち、安定性がとても高いタイヤです。

選手たちはタイヤの状態を日ごろからチェックし、常に最高のコンディションで走れるようにしています。

また、晴天時・雨天時ともに同じ銘柄のタイヤを使用しますが、似て非なるもの。同じ銘柄とはいっても、トレッドの高いものを雨天時、トレッドの低いものを晴天時に使用し、走行性能も変わります。そのため、レース開始前に雨タイヤか晴れタイヤのどちらを使用しているのかを知っておくと、レース予想の判断材料にもなるでしょう。

そして、タイヤの特徴を知った上でWINTICKET(ウィンチケット)でレースを楽しみましょう。WINTICKET(ウィンチケット)では高画質な映像のライブ配信をおこなっています。パソコンやスマートフォンから視聴可能なため、ぜひこの機会にご利用ください。

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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