競輪コラム

向日町競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!

向日町競輪のバンクの特徴について

向日町競輪バンク写真
歴代競輪選手ナンバーワンの通算1341勝を挙げた「競輪の神様」こと、松本勝明氏がホームバンクとしていた『京都向日町競輪』。

マッコーネル曲線を使ったスタンダードな400mバンクですが、カントは30°29′7″と緩く(※1)。それもあって直線は47.3mと短めになっています(※2)。

※1:400バンクで最もカントがキツいのは松阪の34°25′29″、緩いのは西武園の29°26′54″
※2:400バンクで直線が最も長いのは武雄の64.4m、短いのは佐世保の40.2m

近隣の奈良競輪場小田原競輪場ほどではありませんが、すり鉢状のバンク。なので基本的には「先行有利」で、特に「逃げ有利」なのが特徴的であり、全場で比べても1着の決まり手が逃げの可能性はかなり高いといったデータが出ています。

最たる理由はカントの緩さ。3コーナーから行こうとしても緩いカントで外に膨らんでしまい、4コーナー出口も速度が乗らない。直線も短くて届かず、「捲りは決まりにくい」バンクなのです。捲りで勝つには2コーナーからバックで出きらないと厳しいと言われています。

また、直線が短いため「差しも比較的決まりにくい」。京都盆地の西南という立地で西方の山から吹き下ろす風が2センターから吹き込み、バックは向かい風になることが多いため、先行選手は足を使わされるのですが、直線が短いので我慢できるということです。

2センター辺りで外から仕掛ける選手は張れば膨らんでくれるので、逃げのラインがそのまま残りやすく。落車件数も全国平均よりもかなり少ないため、強力な若手のつっぱり先行、もしくは早めのカマシ先行逃げ切りラインそのまんま決着にド勝負できるバンクだと言えるでしょう。

2021年は平安賞(G3)にも注目

そうなると今年、2021年(令和3年)9月2日(木)から5日(日)で行われる京都向日町競輪開設71周年記念G3『平安賞』で優勝候補筆頭となるのは、脇本雄太選手(SS・福井・94期)です。

脇本選手の真骨頂である、早めにカマして出切った後は徹底先行という戦術がハマりやすいバンク。地元カリスマの村上義弘選手(S1・京都・73期)に弟の村上博幸選手(S1・京都・86期)、同期の稲垣裕之選手(S1・京都・86期)辺りが番手で仕事をしてくれたら鬼に金棒です。

そうはさせじと新田祐大選手(SS・福島・90期)がSを取ってツッパリ先行策に打って出たら、話は変わってきます。佐藤慎太郎選手(SS・福島・78期)が番手に付いていたとしたら、益々もって北日本有利に。そのやり合いを後ろで見ていた松浦悠士選手(SS・広島・98期)がバックで一気に捲り切る展開も一考。ただし、中四国勢の戦力がやや弱めなのが玉に瑕かと。

南関東からは和田健太郎選手(SS・千葉・87期)が来ますが、こちらも戦力弱め。関東からは眞杉匠選手(S1・栃木・113期)が追加あっ旋されましたが、後ろが手薄。この2人が東日本ということで組めば、強力なラインにはなりそうですが、さていかに。

いずれにしてもS級S班が5名参戦する記念競走だけに、見どころたっぷりのシリーズになりそうです。楽しみですね。

向日町競輪の歴史・記念競輪について

京都向日町競輪場は1987年(昭和62年)にG1『全日本選抜競輪』、2003年(平成15年)に『ふるさとダービー』(かつて行われていたG2競走)、2007年(平成19年)にG2『共同通信社杯競輪』といった特別競輪が行われてきた、歴史と伝統のある競輪場ですが、何度か廃止が議論されたのも事実としてあります。ただ、今年の6月からミッドナイト競輪も開催されており、今後の人気復活に期待します。

向日町競輪入り口写真
コロナが落ち着いたら、是非本場へ訪れてみてください。場内のいろいろな売店で食することができる「ホルモンうどん」は絶品です。また、「京都サイクルクラブ」というイベントが定期的に開催されていて、「バンク走行体験」や「ローラー練習会」などに一般の方も参加できます。

場内には「サイクルパーク京都」というエリアもあり、「BMXフリースタイル・パーク競技」のセクションやキックバイクコースなどといった大人から子どもまで楽しめるようになっています。

本場開催時にはイメージキャラクターの「ムコリンムッチー」とも触れ合えるので、家族みんなで楽しみましょう!
向日町競輪イメージキャラクタームコリンムッチー写真

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

記事をシェアしよう

関連記事