競輪コラム

豊橋競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!

豊橋競輪のバンクの特徴

2005年(平成17年)4月、競輪人気が全盛だった昭和30年代の駅舎風デザインに改築し、レトロで洒落た雰囲気を醸し出している、愛知県豊橋市の『豊橋競輪場』。

そのような独特な外観、良い意味で「クセが強い外観」である一方、走路は脚質を問わず走りやすい『マッコーネル曲線』で「クセがないバンク」と選手からは好評です。

ただし、開設時は333mバンクだったものを、1967年(昭和42年)に400mバンクへ改修したこともあって、カントは33°50′22″とキツめ(※1)。見なし直線も60.3mと400バンクでは長めになっています(※2)。

※1:400バンクで最もカントがキツいのは松阪の34°25′29″、緩いのは西武園の29°26′54″
※2:400バンクで直線が最も長いのは武雄の64.4m、短いのは佐世保の40.2m

カントがキツくて直線が長いというと、捲り追い込みが決まりやすそうですが、データ的には他の400バンクと比べて「逃げが多め」になっています。実際に「先行選手は走りやすい」という選手のコメントも見られます。

恐らくそれは風の影響があるのかもしれません。豊橋競輪場は2センターが北、1センターが南という立地で、3コーナー辺りだけ、スタンドや建物がありません。冬場は北の山から南の海へ風が吹くため、バックは向かい風になります。このとき、2センター側がすべて開けていればホームも追い風になりますが、4コーナーにはスタンドが張り出しているので風の影響をほとんど受けないのでしょう。

つまり冬場はバックで早めに外に出して捲りを仕掛けようとすると向かい風を受けてしまう。それならばと最終コーナーで捲りに出ても、追い風を受けられないのでさほど伸びないということなのかもしれません。

一方、夏場の海風は1センター側の建物で遮られてしまうので、ほとんど影響はありません。風の影響がないので逃げも捲りも同等に決まりやすい。脚もタレないので「先行選手が走りやすいバンク」になるのです。

記念競輪(G3)『ちぎり賞争奪戦』は例年、夏場の8月に行われているのですが、今年度は来年、2022年(令和4年)1月に開催予定です。冬場なので先行逃げ切りラインが狙い目になるでしょう。ただし、直線が長いので、番手の差し目や3番手から交わしの交わしも考慮しつつ。

なお今年、2021年(令和3年)8月は12日(木)から14日(土)にミッドナイト競輪の開催があります。時間的に8月10日(火)から15日(日)までの6日間、いわき平競輪場で史上初のナイター開催される第64回G1『オールスター競輪』の終了後に行われるミッドナイト開催になります。

豊橋をホームにしている選手で今回のオールスターに出場する有力選手といえば、金子貴志選手(S1・愛知・75期)。オリンピック明けの新田祐大選手(SS・福島・90期)、脇本雄太選手(SS・福井・94期)を合わせたS級S班9名勢揃いで苦しい戦いになるかと思われますが、ベテランの意地でがんばっていただきたいですね。

ちなみにオールスターの3日目に行われる単発の『ガールズドリームレース』には、こちらも東京2020大会明けの小林優香選手(福岡・106期)が出場するので楽しみです。

豊橋競輪の歴史について

話を豊橋競輪場に戻しますと、全国で8番目、中部地区では初の競輪場として、1949年(昭和24年)に開設されました。前述したように開設時は33バンクでしたが落車が多かったこともあって、1967年(昭和42年)に400バンクへと改修されたのです。

開設当初から人気の競輪場でしたが、平成の世になると客足は遠のいていき、2002年(平成14年)には当時の市長が競輪事業の廃止を表明。危うく無くなるところでしたが後に撤回され、存続したのです。

この件もあり、冒頭のような改築が行われ、レトロな雰囲気に合わせた昭和の映画ポスターや雑誌広告、テレビ番組のパロディも展開。『夢がある豊競劇場』というキャッチコピーでファン層のさらなる拡大を図っています。豊橋競輪サイト等で見られますので、是非ご確認ください。

『ガッチャマン』や『あしたのジョー』のパロディを選手出演で行っているので、ファンなら必見。マスコットキャラクターの『まくる君』(大外まくる)とその仲間たちの物語など、読み応えのある記事あって面白いですよ。

豊橋競輪の記念競輪は

豊橋競輪場を舞台とした特別競輪は1997年(平成9年)、1999年(平成11年)、2005年(平成17年)に『ふるさとダービー』、2011年(平成23年)には『東西王座戦』(ともにかつて行われていたG2競走)、2020年(令和2年)にはG1『全日本選抜競輪』が開催されています。

2012年(平成24年)にはモーニングレースを開催。2018年(平成30年)よりミッドナイト競輪、2019年(令和元年)からはナイター競輪と、いろんな時間帯でのレースが行われている豊橋競輪場を今後も注目していきましょう!

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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