競輪コラム

松戸競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!

松戸競輪のバンクの特徴

都心からのアクセスが良く、駅からも近い(JR北松戸駅から300m、徒歩4分)ということもあって、川崎競輪場に次いで本場を訪れる人が多い『松戸競輪場』。

2017年(平成29年)に改修された走路は1周333mで、いわゆる「33バンク」なのですが、漢字を当てて「燦燦バンク(サンサンバンク)」と呼ばれています。

カントは33バンクの中で最も緩い29°44′42″(※1)。その形状から直線は38.2mという短さです(※2)。

※1:33バンクで最もカントがキツいのは前橋の36°0′0″
※2:33バンクで直線が最も長いのは前橋の46.7m、短いのは小田原の36.1m

大きなすり鉢というよりは、大きなお皿といった形。カントの緩さと直線の短さから2センターを使った捲りはほぼ届かず(最終コーナーを回ったらすぐにゴールといったイメージです)。捲りを決めるなら最終ホームから動き出して、2コーナーからバックで仕留めなければなりませんが、それもカントの緩さからかなりの脚力が必要とされます。

つまり「先行逃げ切りが圧倒的に有利」な場なのです。
松戸競輪バンク写真

例えば機動力が高くて実力も抜けている若手がいたら、『ウィンチケット』の「出走表」で確認。「EXデータ」の「かまし成功率」よりも「つっぱり成功率」が高ければ、本命で間違いないでしょう。

しかも直線が短いので差しは決まりにくく、捲りが届きにくいことから「ラインそのまんま決着が多い」場になります。強力な捲りがいれば車券で3着に入れなければなりませんが、そうじゃなければ「ラインそのまんまの点張り勝負ができる場」なのです。

ひとつだけ注意すべき点としては「風」。バンクの周囲が建物に囲まれているため、風の影響はなさそうに見えますが、3コーナーにぽっかりと空いているすき間から吹き込むことがあり。逃げ場のなくなった風はバンクをぐるりと巻いて、「常に向かい風が吹いている」状態になってしまいます。

3コーナーに掲げられている旗が右手前にはためいているときはその状態になっている可能性が高いです。ピンポイント天気予報で西からの風が強いときは要注意。先行選手が脚を使ってタレることを考えて、番手の差し目も抑えたほうがいいかもしれません。

この松戸競輪場がある千葉県出身で「日本一の先行選手」と呼ばれていた伝説の競輪選手・滝澤正光氏を讃えて名付けられた『燦燦ダイヤモンド 滝澤正光杯(G3)』。毎年8月に行われる開設記念競輪が今年、2021年(令和3年)も8月21日(土)から24日(火)の日程で開催されます。

今回は佐藤慎太郎選手(SS・福島・78期)に松浦悠士選手(SS・広島・98期)、和田健太郎選手(SS・千葉・87期)、新田祐大選手(SS・福島・90期)と、S級S班から4名が参戦。他にも吉田拓矢選手(S1・茨城・107期)、太田竜馬選手(S1・徳島・109期)、黒沢征治選手(S1・埼玉・113期)、諸橋愛選手(S1・新潟・79期)、村上義弘選手(S1・京都・73期)などの錚々たるメンバーが集結し、真夏の太陽が燦燦と照りつける松戸のバンクでもがき合います。

松戸競輪の歴史、記念競輪、マスコットキャラクターについて

この松戸競輪場のある場所は元々、工場が建つ予定でしたが、地域住民の反対を受けて建設は断念し、代わりに競輪場が建てられました。1950年(昭和25年)のことです。

1952年(昭和27年)には開催日のみの臨時停車場として『松戸競輪場駅』が開設。1958年(昭和33年)に常設駅となり、1987年(昭和62年)にJR東日本の『北松戸駅』へ生まれ変わりました。

松戸競輪場では2007年(平成19年)、2014年(平成26年)、2018年(平成30年)に『サマーナイトフェスティバル(G2)』、2011年(平成23年)に『SSシリーズ風光る(かつてのG1)』、2015年(平成27年)、2016年(平成28年)に『オールスター競輪(G1)』、1995年(平成7年)、2001年(平成13年)、2005年(平成17年)、2010年(平成22年)、2019年(令和元年)に『日本選手権競輪(G1)』といった特別競輪が開催されています。

マスコットキャラクターは松戸原産の『二十世紀梨』と七福神の弁財天をモチーフとした『マッピー』。この『マッピー』を奉った『マッピー弁財天』という小さな神社が本場にはありますので、訪れた際は是非お参りしてみてください。

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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