競輪コラム

大宮競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!

大宮競輪のバンクの特徴について

古くから通う常連客の間では“大宮競馬場”と呼ばれるほど、見た目にも広い『大宮競輪場』は内側に日本陸上競技連盟公認の400mトラックが併設された1周500mの大きなバンクです。

今年、2021年(令和3年)4月から愛称を「大宮BigBank」(おおみやビッグバンク。略称は「大宮BB」)とした500バンクの直線は全競輪場の中で最も長い66.7m(※1)。カントは500バンクで最もキツい26°16′40″(※2)です。

※1:500バンクで直線が最も短いのは高知の52.0m
※2:500バンクで最もカントが緩いのは高知の24°29′51″

例えば400バンクで直線が長くてカントがキツい場合。最終コーナーで外から捲ったラインが直線の長さを活かして前まで出切るか、先行ラインの番手が追い込んで3着に残すといった傾向が見られますが、大宮の場合は直線が長すぎるため、そういったセオリーはなかなか当てはまりません。

捲ったラインの番手にタテ脚があると直線でさらに捲りを打って出切ったり、そこに先行ラインの番手が追い込んで2着まで食い込んだりするといった、「スジ違いの番手決着」でのド高目配当が出るレースをよく見ます。

その理由としては、仕掛けどころを間違えると脚を使ってしまうために最後の長い直線でタレてしまうのを恐れるがあまり、全体的にスローペースなレースになりがちというのがあります。最終1コーナーから仕掛けるというのが基本なのですが、そこもけん制してしまうと最終3コーナーから動き出すしかなく、全選手が脚を残したまま最終コーナー立ち上がりでヨーイドンのスプリント勝負になってしまう。

そうなると風よけもせずに番手で悠々と回ってきたタテ脚のある選手が有利となって「スジ違いの番手決着」となりやすいのです。実際に1着決まり手も2着決まり手も「差し」が他場に比べて明らかに多いといったデータが見られます。

先行ラインと捲りラインの双方とも番手の脚質が「両」であれば、スジ違いの番手の表裏から広く構えて高配当を狙えるでしょう。いずれかの番手のみ「両」の場合はその頭から同スジ3番手だけではなく別線先行や番手などへと広く流す買い方がオススメかと。

いずれにしても一般的な競輪のセオリーは当てはまらない予想の難しい場なのですが、逆に言えば穴党にはたまらない場でもあります。

この特異な傾向からして比較的新しくできた場のように思われる方もいるかもしれませんが、全国では小倉競輪場、大阪住之江競輪場に次ぐ3番目にできた場で、東日本地区では初めて開設された歴史のある競輪場です。

大宮競輪バンク写真

大宮競輪の記念競輪・歴史について

開設は1949年(昭和24年)1月。毎年1月におこなわれる記念競輪(G3)開催時には「東日本競輪発祥の地 大宮競輪場」という常設に加えて『倉茂記念杯』というパネルがバンク内に掲げられます。

「倉茂」とは日本自転車振興会理事を務めた「競輪の生みの親」とも称される倉茂貞助氏のことであり、氏の功績を讃えて大宮競輪場でおこなわれる記念競輪には2002年(平成14年)の第53回大会より『倉茂記念杯』と冠されています。

記念競輪を昨年、今年と2連覇しているのは地元・埼玉の平原康多選手(SS・埼玉・87期)。来年1月には3連覇がかかります。

大宮をホームバンクにしている有力選手といえば、今年のG1『高松宮記念杯競輪』を制した宿口陽一選手(SS・埼玉・91期)。9月17日(木)から20日(日)に岐阜競輪場でおこなわれるG2『共同通信社杯』には平原選手や、大宮をホームにする若手有力選手の黒沢征治選手(S1・埼玉・113期)や森田優弥選手(S1・埼玉・113期)と共に出場するので、強力な埼玉ラインでの優勝も期待できます。

ガールズケイリンで大宮をホームバンクにしている有力選手といえば細田愛未選手(埼玉・108期)。広い大宮での練習によって鍛え上げられた捲りが魅力の選手です。

大宮BigBankを普段から走っていれば他の場はすべて小さく感じて楽に走れるはず。マスコットキャラクターの「昇竜くん」と一緒に、大宮競輪場をホームとする選手が竜のごとくランキングを昇り上がる活躍を今後も期待したいですね♪

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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