競輪コラム

宇都宮競輪の歴史と特徴を徹底深堀! バンクの特徴と特別競輪の見所も解説!

戦後復興として全国に競輪場が建設される中、栃木県宇都宮市にもつくられることになりました。
旧城址も候補に挙がりましたが、建設場所として決定したのは市街を一望できる八幡山公園の西北。傾斜地をならす大工事の末、1950年(昭和25年)に開設されたのが『宇都宮競輪場』です。

宇都宮競輪の歴史

宇都宮競輪の歴史

1987年(昭和62年)、1990年(平成2年)、1993年(平成5年)に『オールスター競輪』。
1996年(平成8年)、2010年(平成22年)に『全日本選抜競輪』。
2002年(平成14年)に『共同通信社杯競輪』。
2007年(平成19年)に『東西王座戦』。
2014年(平成26年)に『高松宮記念杯競輪』と、数多くのビッグレースが開催されている競輪場です。
2022年(令和4年)には『ウィナーズカップ』も開催予定となっています。

宇都宮城が「亀が丘城」と呼ばれていたことにちなんで、『亀丘みや太郎』(通称:みやかめくん)という亀をモチーフとしたマスコットキャラクターが1996年(平成8年)に誕生しました。その後、前述した『東西王座戦』の開催を記念して、妻の『亀丘けい子』と長男の『亀丘りんいち』が加わり、『みやかめファミリー』になったのです。

その13年後の2020年(令和2年)、女性の雷神さまをモチーフとした『らいりん』というキャラクターが『宇都宮メディア・アーツ専門学校』の学生によって新たに生み出されました。宇都宮の夏の風物詩である「雷」にちなんだ可愛らしいキャラクターが、「雷都」と呼ばれる宇都宮の「雷神バンク」を『みやかめファミリー』と共に盛り上げてくれています。

宇都宮競輪のバンクの特徴を徹底解説!

宇都宮競輪 バンク

その「雷神バンク」こと、宇都宮競輪場のバンクは1周500mです。
2007年(平成19年)から2009年(平成21年)の間におこなわれた改築工事でホーム側とバック側が入れ替わった際、見なし直線は67.9mから63.3mに短縮しましたがそれでも長めで(500バンクで一番長いのは大宮競輪場の66.7m、一番短いのは高知の52m)、先行の選手はかなり不利です。番手が先行選手を交わした後、3番手の選手に交わされてしまう、いわゆる「交わしの交わし」もよく見られます。追い込みの選手や遅い仕掛けの捲り追い込みの選手から狙うのが基本となりますが、1センター側に大きな建物がないことで風が吹き込み、ホームが向かい風になっているときは外からの捲りが届きづらいので注意しましょう。

宇都宮競輪の記念競輪は?

この「雷神バンク」で毎年おこなわれる開設記念競輪はG3『宇都宮ワンダーランドカップ争奪戦』です。
ただし今年、2021年(令和3年)はもうひとつ、『国際自転車トラック競技支援競輪』という名のG3競走が開催されます。

『世界選手権自転車競技大会』やオリンピック・パラリンピックなどの国際大会に出場する選手やスタッフをサポートする費用を支援するためにおこなわれる大会で、今年は宇都宮競輪場と松山競輪場での2回、開催されます(宇都宮は3日制の昼開催、松山は4日制のナイター開催)。

世界選手権自転車競技大会の注目選手は?

神山雄一郎選手

3月19日(金)から21日(日)におこなわれる宇都宮大会に出場する注目選手はというと、まずは地元G3には欠かせない栃木競輪界のレジェンド・神山雄一郎選手(S1・栃木・61期)。

1993年(平成5年)に宇都宮で開催された『オールスター競輪』でG1初勝利を挙げた後、手にしたG1タイトルは史上最多の16個。通算獲得賞金28億円超や『KEIRINグランプリ』出場回数16回など、数々の史上最多記録を持っています。
吉岡稔真元選手と共に「横綱」と呼ばれた生きる伝説が、従兄弟で『作新学院高等部』の後輩でもある神山拓弥選手(S1・栃木・91期)を引き連れて、G3通算100回目の優勝を目指します。

栃木勢は近況調子の良かった隅田洋介選手(S2・栃木・107期)や金子幸央選手(S2・栃木・101期)が欠場になってしまったのは残念ですが、お隣・群馬から来る近況絶好調の自力型、佐々木悠葵選手(S2・群馬・115期)と決勝で組めれば、優勝も夢ではないでしょう。

他には40歳手前にしてまだまだ実力アップが見られる小松崎大地選手(S1・福島・99期)が北日本から参戦。脇本雄太選手(SS・福井・94期)は残念ながら出場しませんが、9歳下の弟・脇本勇希選手(S2・福井・115期)が兄のような迫力のある先行をして、村上博幸選手(S1・京都・86期)たち近畿勢をゴールに連れ込むことができるのか注目です。

『トラック支援用ガールズケイリン』も同時開催。メンバー的には石井寛子選手(東京・104期)が中心になる中、同期の梶田舞選手(栃木・104期)が地元の意地を見せてくれるのか楽しみです。ケガの度に実力を付けて帰ってくる太田美穂選手(三重・112期)や位置取りと仕掛けどころが上手い比嘉真梨代選手(沖縄・114期)の活躍にも期待しましょう。


『ウィナーズカップ』が近いこともあってS級S班は不在ですが、電光石火のごとく「雷神バンク」を駆け抜けてくれる選手はたくさんいます。彼ら、彼女たちの走りを存分に堪能しましょう!

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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