競輪コラム

福井競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!

空襲、地震、水害、豪雪などで幾度となく壊滅的被害を受けながらも"不死鳥"のごとく復興を果たしてきた福井県福井市にある『福井競輪場』。

ゴール線手前に市のシンボルとなっている"不死鳥"が描かれた走路は、日本競輪学校(現・日本競輪選手養成所)の400m走路をモデルとして作られた400バンクで、選手の間ではクセがなく走りやすいと言われています。

福井競輪のバンクの特徴について

福井競輪バンク写真
カントは31°28′37″で400バンクの平均よりやや緩め(※1)。直線は52.8mでほぼ平均値です(※2)。「特徴がないのが特徴」と言う選手もいますが、まさにその通りの平均的なバンク形状になっています。

※1:400バンクで最もカントがキツいのは松阪の34°25′29″、緩いのは西武園の29°26′54″
※2:400バンクで直線が最も長いのは武雄の64.4m、短いのは佐世保の40.2m

一見すると有利不利はなさそうですが、1着の決まり手は「他場に比べて『逃げ』が有利」。2着の決まり手は「比較的『マーク』が多い」というデータが上がっています。このことから「強力な先行ラインがあれば、そのまんまの決着が多め」と言えるでしょう。

しかし、これは平均を取ったデータによるもので、実際には「風の影響が強いバンク」です。南北に伸びていて、冬は北風でバック向かい風、ホーム追い風。夏は南風でバック追い風、ホーム向かい風になります。よって冬場の風が強い日は、バックで脚を貯めている選手の最終コーナーからの捲り追い込み。夏場の風が強い日は2コーナーから早めのかまし捲りが有効です。夏場は直線で向かい風になるため、脚を貯めていたラインの3番手が連入、突き抜けまでして高配当を提供する傾向も見られます。

ライブ放送やピンポイント天気予報などで風向きと風速を確認することが福井競輪場の予想では重要になることを覚えておきましょう。

福井競輪の記念競輪について

記念競走(G3)は夏場の7月に毎年行われていて、今年も2021年(令和3年)も7月8日(木)から11日(日)の4日間、開催されます。

福井競輪G3「不死鳥杯」の注目選手は?

不死鳥杯注目選手である郡司公平選手写真
前述した市のシンボル"不死鳥"の名が冠された、福井競輪開設71周年記念G3『不死鳥杯』にて、優勝候補筆頭となるのは郡司浩平選手(SS・神奈川・99期)でしょう。

機動型の大石剣士選手(S1・静岡・109期)が前で引っ張り、ベテランの内藤秀久選手(S1・神奈川・89期)が後ろに付ければ、強力な南関ラインとなります。

S級S班からはもうひとり、自分の役割をきっちりと果たして安定感抜群の守澤太志選手(SS・秋田・96期)も出場予定です。北日本からは他にも佐藤友和選手(S1・岩手・88期)などのベテラン勢が来ますが、強力な若手機動型不足が悩ましいところかと。

地元から登場するのは、福井の主軸である野原雅也選手(S1・福井・103期)。G1最前線で活躍する古性優作選手(S1・大阪・100期)や地元ホープの脇本勇希選手(S2・福井・115期)などの先行タイプと共に、近畿勢を引っ張り上げます。

他の地区からは、今や優勝候補に名を連ねるほどの飛躍を遂げた、中部の山口拳矢選手(S1・岐阜・117期)、今後の関東を引っ張っていくであろう勢いのある森田優弥選手(S1・埼玉・113期)、中国からはベテランの岩津裕介選手(S1・岡山・87期)、九州からはホームバンク復興が待ち遠しい中本匠栄選手(S1・熊本・97期)などの有力選手が北陸・福井の記念競輪を盛り上げてくれるでしょう。

福井競輪の歴史について

福井競輪写真
かつての福井県福井市は戦中戦後と悲運に見舞われた場所でした。1945年(昭和20年)の空襲、1948年(昭和23年)に、気象庁が設定していたレベルを超える震度7を記録した福井地震。地震によって堤防が決壊した九頭竜川の水害……。立て続けに壊滅的な被害を受けたのです。

それら災害の復興策のひとつとして、1950年(昭和25年)に開設されたのが『福井競輪場』です。結果、復興資金が確保できて蘇ることができたのですから、バンクに"不死鳥"が描かれたというのもうなづける話です。

特別競走は1990年(平成2年)、1991年(平成3年)、2000年(平成12年)、2004年(平成16年)、2008年(平成20年)に『ふるさとダービー』(かつて開催されていたG2)、2013年(平成25年)にG2『共同通信社杯』、2020年(令和2年)にG2『ウィナーズカップ』が開催されています。

福井競輪場に舞い降りた妖精をモチーフとしたマスコットキャラクターの『リークル』と一緒に、これからも福井競輪場での開催を見守っていきましょう♪

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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