競輪コラム

青森競輪を徹底深堀! バンクの特徴や特別競輪の見所、歴史などを解説!

青森競輪のバンクについて

青森競輪バンク写真

縄文時代の大規模集落跡『三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき)』が近くにあることから「縄文バンク」とも呼ばれている『青森競輪場』の走路は1周400mです。

直線は58.9mで400バンクではやや長め(※1)、カントは32°15′7″でややキツめです(※2)。

※1:400バンクで直線が最も長いのは武雄の64.4m、短いのは佐世保の40.2m
※2:400バンクで最もカントがキツいのは松阪の34°25′29″、緩いのは西武園の29°26′54″

カントがキツくて直線が長いバンクは傾斜を使った加速からの伸びが届くため、一般的には捲りや追い込みが有利とされていますが、データを見ると逃げもそこそこ決まっているので偏りはさほどありません。無風であればクセのないバンクとなります。そう、ポイントは風。

2センターが北で1センターが南という立地。北側には陸奥湾があり、そこからの海風が吹き込むとバック向かい風、ホーム追い風になります。向かい風に抗うことになるバックでは仕掛けずに、3コーナーから動き出して山から一気の捲りを打てば、追い風に乗って長い直線をゴールまで伸びてくれます。

つまり「北風の強い日は逃げより捲り有利」となるのです。ピンポイント天気予報で風向きと風速は確認しましょう。

もうひとつのポイントは2着決まり手のマーク率が高い=「スジ決着が多め」ということ。特にスピードが乗った捲りラインの差し目は難しく、ワンツー決着になりやすいのです。

まとめますと「無風なら逃げも捲りも同等。北風の強い日は捲り優勢。いずれもラインのワンツー決着多し」となります。

例えば北風が強い日に逃げと捲りのラインの力が拮抗しているレースにて。先行選手の決まり手が逃げ多め&バック回数多めの“逃げ意欲が高い”ラインに対して、先行選手の決まり手が捲り多め&バック回数少なめの“カマシよりも捲り追い込み意欲が強い”ラインであれば、遅めの仕掛けで一気にゴールまで駆け抜ける可能性は高く。捲りラインのワンツー決着が狙い目となるのです。

青森競輪の記念競輪・歴史について

9月の終わり、東北では冬間近ということで北風の吹く日も増えているでしょうか。青森競輪開設71周年『みちのく記念競輪善知鳥(うとう)杯争奪戦(G3)』は9月23日(木)から26日(日)の日程でおこなわれます。

直前に開催される『共同通信社杯(G2)』出場選手は不在ですが、山田英明選手(S1・佐賀・89期)や深谷知広選手(S1・静岡・96期)、東口善朋選手(S1・和歌山・85期)などといったグレードレース優参レベルの選手が登場します。

山田選手の九州勢には上田尭弥選手(S1・熊本・113期)や松本秀之介選手(S2・熊本・117期)、東口選手の近畿勢には南潤選手(S1・和歌山・111期)といった強力な機動型がいるので心強いでしょう。

対する地元青森からは永澤剛選手(S1・青森・91期)を中心に、前は坂本貴史選手(S1・青森・94期)や嵯峨昇喜郎選手(S1・青森・113期)、後ろは佐藤和也選手(S1・青森・95期)と実力派が揃い踏み。優参、優勝も狙える布陣です。

ちなみに最終日の第6Rではルーキーシリーズで好成績を収めた選手たちによる一発勝負「ルーキーシリーズプラス」がおこなわれます。シリーズ3戦すべて完全優勝の犬伏湧也選手(A2・徳島・119期)を筆頭に木村佑来選手(A2・宮城・119期)、上杉嘉槻選手(A2・福井・119期)といった未来のエース候補たちが集まります。こちらも楽しみですね!

彼らがもがき合う青森競輪場は1950年(昭和25年)に開設しました。当時は海沿いの合浦(がっぽ)公園にありましたが、1983年(昭和58年)に郊外へ移転。

1988年(昭和63年)、1990年(平成2年)、1993年(平成5年)、1995年(平成7年)、1998年(平成10年)には『全日本選抜競輪(G1)』、2001年(平成13年)、2005年(平成17年)、2009年(平成21年)には『寛仁親王牌(G1)』などといった特別競走が数多く開催されている、東北では人気の高い場です。

記念の名に冠された 善知鳥(うとう)とは背中が黒褐色でくちばしは橙色、繁殖期になるとくちばしの根元に白い突起物が出る鳥で国の天然記念物に指定されています。2005年(平成17年)に浪岡町と合併するまで青森市の鳥として指定されていたのと、「青森市発祥の地」が『善知鳥神社』であることから名付けられたのでしょう。
青森競輪外観写真

青森競輪のマスコットキャラクター「葵萌輪」

以前のマスコットキャラクターは善知鳥をモチーフとした『うとう君』でしたが、2012年(平成24年)より二次元アニメキャラクターの『葵萌輪(あおいもりん)』に。グッズも多数販売されていてSNSでも大人気の「もりんちゃん」と一緒に、「決勝で3着以内に入れば『競輪祭(G1)』出場」が決まる青森記念で大いに盛り上がりましょう!

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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