競輪コラム

西武園競輪の歴史と特徴を徹底深堀! バンクの特徴と特別競輪の見所も解説!

西武園競輪場の歴史

西武鉄道の行楽地開発により、東京都心部から日帰り可能な景勝地として人気となった村山貯水池。第二次大戦後には池畔に「東村山文化園」(後の西武園)が造られていくのですが、その最中の1949年(昭和24年)、同じ埼玉県に開設された東日本初の競輪場・大宮競輪場が大人気となったことを受けて、敷地内に競輪場を建設する計画が新たに立てられました。

それからわずか1年後の1950年(昭和25年)に誕生したのが『村山競輪場』、後の『西武園競輪場』なのです。

改称した1954年(昭和29年)から4年後の1958年(昭和33年)、『関東甲信越静地区争覇競輪』開催。1963年(昭和38年)、第20回『全国都道府県選抜争覇競輪』開催。1966年(昭和41年)、第1回『結核予防会総裁秩父宮妃殿下賜杯競輪』開催(以降、第5回まで開催)。1973年(昭和48年)、第26回『全日本選手権特別競輪』開催(翌年、第27回大会も開催)。

1992年(平成4年)に大規模な改修工事が開始されて、1997年(平成9年)に完成した後、1998年(平成10年)に『日本選手権競輪』開催。2004年(平成16年)に『オールスター競輪』開催。2008年(平成20年)に『読売新聞社杯全日本選抜競輪』が開催されるなど、数多くの特別競輪が開催されている競輪場です。2022年(令和4年)には18年ぶりに『オールスター競輪』の開催が予定されています。

西武園競輪場のバンクについて解説

西武園競輪場バンクの写真
2017年(平成29年)よりミッドナイト競輪が、翌2018年(平成30年)よりナイター競輪が開催されている西武園競輪場の走路は、前述した改修工事がおこなわれるまでは500バンクだったこともあり、カントは29°26′54″と400バンクの中で最も緩く(400バンクで最もカントがキツいのは松阪競輪の34°25′29″)、直線も47.6mと短めなため(400バンクで一番長いのは武雄競輪の64.4m、一番短いのは佐世保競輪の40.2m)、33バンクに近い特性を持つといわれています。
先行有利で差しも比較的決まりにくく、捲りは仕掛けが遅いとほぼ届きません。

西武園競輪の記念競輪は?

平原康多選手写真
記念競輪(G3)は毎年4月開催が恒例の『ゴールド・ウイング賞』。昨年2020年(令和2年)は緊急事態宣言の対象地区に入っていたこともあって中止となってしまいましたが、今年の『ゴールド・ウィング賞』は2021年(令和3年)は4月15日(木)から18日(日)の4日間でおこなわれる予定です。

『ゴールド・ウィング賞』出場予定選手については
2年前の2019年(令和元年)におこなわれた前回大会で優勝した、地元の雄・平原康多選手(SS・埼玉・87期)はもちろん出場します。今年1月開催の大宮記念で平原選手の優勝に貢献した森田優弥選手(S1・埼玉・113期)も出場するため、再び決勝での連係が見られるかもしれません。

地元からは森田選手と同じ113期の植原琢也選手(S2・埼玉・113期)、関東地区からは吉澤純平選手(S1・茨城・101期)や山岸佳太選手(S2・茨城・107期)といった自力型の若手が出場するので、平原選手としては心強い限りでしょう。

他地区の有力選手としては、北日本地区の守澤太志選手(SS・秋田・96期)が出場します。高橋晋也選手(S1・福島・115期)や渡邉一成選手(S1・福島・88期)といった強力な自力型とのライン形成が見物です。

南関東地区からは昨年のGP覇者・和田健太郎選手(SS・千葉・87期)が出場。和田真久留選手(S1・神奈川・99期)との"和田・和田"連係は成るのでしょうか。

近畿地区からはベテランの村上義弘選手(S1・京都・73期)と稲垣裕之選手(S1・京都・86期)が東日本の牙城を崩しに来ます。中国地区からは将来の大エース候補、町田太我選手(S2・広島・117期)が登場。取鳥雄吾選手(S1・岡山・107期)と自力型同士で組めば、非常に強力なラインとなるでしょう。

九州地区からは平原選手と同期の園田匠選手(S1・福岡・87期)が井上昌己選手(S1・熊本・86期)と共にやってきます。80期台のベテランが集結する決勝になったら、オールド競輪ファンとしてはたまらないですね。

一方、若手ガールズ選手が集まる一発勝負も最終日におこなわれます。4月18日(日)の第6R、第3回『ガールズフレッシュクイーン』です。

デビュー2年未満のガールズ選手(116期、118期)の中から、選考期間における(昨年7月から12月)平均得点上位7名で争われる、次代を担うスター選手の登竜門的レースです。118期卒記クイーンの尾方真生選手(福岡・118期)、在所3位だった西島叶子西島叶子選手(熊本・118期)、近況力を付けてきている永禮美瑠選手(愛知・118期)などが出場し、選手生活で一度しか獲れないフレッシュクイーンの座を狙います。


新人といえば、『近藤みやび』さんが今年の春から大宮・西武園競輪アンバサダーに就任しました。動物のサイがモデルのマスコットキャラクター『さい☆ボーグ』と一緒に、開設71周年の記念競輪を盛り上げてくれます。

ちなみに西武園競輪場といえば競輪漫画の金字塔である『ギャンブルレーサー』の主人公・関優勝(せき まさかつ)のホームバンクということで、初日4月15日(木)の特選競走は『ギャンブルレーサー関優勝牌』と名付けられています。あの漫画から競輪ファンになったという方は、是非お見逃しなく!

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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