競輪コラム

寛仁親王牌とは?レース詳細や選手の選別方法について解説!

残るG1はあと2つ!S級S班9名らトップ選手がGP出場を目指して駆ける!!

ルーツとなるのは1990年(平成2年)5月に前橋競輪場で開催された『世界選手権自転車競技日本大会特別記念レース』。同年8月にアジアで初めて開催された『世界選手権自転車競技大会』の日本開催を記念しておこなわれたレースである。

1992年(平成4年)に開催された同競技大会で名誉総裁をお務めになられた寛仁親王殿下(ともひとしんのうでんか)が「寛仁親王牌」を下賜されることになった同記念レースより『世界選手権記念トーナメント(寛仁親王牌争奪)』へと名称が改められ、1994年(平成6年)に現在の『寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント』へとさらに変更。2001年(平成13年)よりG1に格付けされて、2016年(平成28年)から開催月が10月になった。

10月開催のG1とは、年末のグランプリまで“残り2つ”のG1のひとつということ(もうひとつは11月開催の『競輪祭』)。選手としては「是が非でも優勝したい」、「できる限り獲得賞金を上乗せしておきたい」レースになっている。

既にGP出場権を獲得しているのは、わずか3名。残りの枠を狙うのは?

前橋競輪場

今年、G1を勝って『KEIRINグランプリ2020』の出場権を獲得しているのは2月開催の『全日本選抜競輪』優勝の清水裕友選手(SS・山口・105期)。6月開催の『高松宮記念杯競輪』優勝の脇本雄太選手(SS・福井・94期)。8月開催の『オールスター競輪』優勝の松浦悠士選手(SS・広島・98期)の3人だけ。新型コロナウイルス感染拡大防止を受けて5月に開催予定だった『日本選手権競輪』が中止となったことで出場権を獲得できる枠がひとつ減っただけでなく、賞金を得られる機会も消失したため、獲得賞金の上位争いは例年より厳しさを増している。

10月6日(火)現在の獲得賞金ランキング上位3人、1位の松浦選手(約1億3,297万円)、2位の清水選手(約6,763万円)、3位の脇本選手(約6,730万円)はG1優勝しているのでグランプリ出場確定。残る6つの出場枠に最も近いのは4位の平原康多選手(SS・埼玉・87期)で獲得賞金が約5,293万円あり、恐らく出場圏内であろう。しかし5位の郡司浩平選手(SS・神奈川・99期)の獲得賞金が約4,646万円なのに対して、例えば13位の諸橋愛選手(S1・新潟・79期)は約3,162万円で、その差は1,500万円ほど。準優勝の賞金が約1,500万円なので一気に並ばれる可能性もあるのだ。

競輪界のトップ選手たちによる、ひとつも油断できない、ひとつも落とせない戦いが繰り広げられる今年の親王牌は、10月15日(木)から18日(日)の4日間、前橋競輪場で開催される。

新田雄大選手のグランドスラム達成なるか?

新田祐大

親王牌では初日に3つの特別選抜レースが用意されている。
第12レース「日本競輪選手会理事長杯」に出場予定の選手は①佐藤慎太郎選手(SS・福島・78期)、②松浦悠士選手、③脇本雄太選手、④平原康多選手、⑤清水裕友選手、⑥中川誠一郎選手(SS・熊本・85期)、⑦郡司浩平選手、⑧村上博幸選手(SS・京都・86期)、⑨新田雄大選手の9名なのだが、お気づきだろうか?

全員S級S班。そう、昨年のグランプリとまったく同じ顔ぶれなのである。

振り返ってみよう。

新田選手と佐藤選手の福島ライン、清水選手と松浦選手の中国ライン、単騎の平原選手、同じく単騎の中川選手、脇本選手と村上選手の近畿ラインの後ろに単騎の郡司選手が付くという周回。打鐘で脇本選手が発進してホームで叩き切る。番手の村上選手を新田選手が張って、村上選手は郡司選手と共に後退してしまう。2コーナーから清水選手が捲ろうとするが届かず。脇本選手の後ろに付けていた新田選手が3コーナーから踏み込むが抵抗を受け、その新田選手の後ろから2人の間を突いた佐藤選手が優勝。3着に平原選手が滑り込んだことで3連単14万円という高配当を生み出した。

同じ展開に……というわけにはいかないだろう。昨年のグランプリが行われたのは400バンクの立川競輪。今年の親王牌が行われるのは33バンクの前橋競輪(335m)。日本一のカントを誇る短走路で、風の影響がないドームバンクだ。赤板過ぎからカマシで逃げ切る自力積極型の選手が有利となれば、脇本選手の出番となる。

脇本選手は2018年(平成30年)に親王牌で優勝しているが、準決にてバンクレコードタイの上がり8秒8をマークしている、好相性のバンク。脇本選手が優勝候補筆頭なのは間違いないだろう。

対抗は脇本選手と共に東京オリンピック自転車トラック競技日本代表に内定している新田選手である。1年に6つあるG1レースすべてで優勝することを「グランドスラム」というのだが、新田選手は寛仁親王牌を獲ればグランドスラムを達成する。過去に井上茂徳氏、滝澤正光氏、神山雄一郎選手の3人しかいないグランドスラム達成者に名を連ねたいことを考えれば、何がなんでも獲りにいくはずだ。

つまり2人が決勝で相まみえたら、激しい先行バトルになるのは必至。そうなると近況でキレの良い走りを連発している郡司選手や清水選手、松浦選手辺りの捲りが届く可能性は高まるし、佐藤選手や村上選手の差しも決まりやすくなるだろう。位置取りの上手い平原選手がその間隙を突いてくるかも……と、展開を簡単に見極められないのが、トップ選手9車による競輪である。節間の調子を注視していこう。

残りのレースも見逃せない!

浅井康太選手

他に2つある初日特選。
第10レース「S級特別選抜予選」に出場予定の選手は①浅井康太選手(S1・三重・90期)、②内藤秀久選手(S1・神奈川・89期)、③守澤太志選手(S1・秋田・96期)、④大槻寬德選手(S1・宮城・85期)、⑤坂口晃輔選手(S1・三重・95期)、⑥新山響平選手(S1・青森・107期)、⑦和田健太郎選手(S1・千葉・87期)、⑧南修二選手(S1・大阪・88期)、⑨山田英明選手(S1・佐賀・89期)の9名。

第11レース「S級特別選抜予選」に出場予定の選手は①吉田拓矢選手(S1・茨城・107期)、②小倉竜二選手(S1・徳島・77期)、③稲川翔選手(S1・大阪・90期)、④香川雄介選手(S1・香川・76期)、⑤諸橋愛選手、⑥木暮安由選手(S1・群馬・92期)、⑦東口善朋選手(S1・和歌山・85期)、⑧原田研太朗選手(S1・徳島・98期)、⑨古性優作選手(S1・大阪・100期)の9名。

いずれも近況調子を上げていて、いわゆる“赤パン”を履いているS級S班の牙城を崩す可能性の高い選手たちだ。特に8月のオールスターで優出を果たしている山田選手や諸橋選手には期待してしまう。

特別選抜組以外では9月開催のG2「共同通信社杯」で優出した山崎賢人選手(S1・長崎・111期)や吉澤純平選手(S1・茨城・101期)、トラックナショナルチームの深谷知広選手(S1・愛知・96期)、河端朋之選手(S1・岡山・95期)、松井宏佑選手(S1・神奈川・113期)にも注目したい。

若い自力の選手が準決進出や優出してくると強い自力選手を引っ張ることになるので展開がガラッと変わるし、前橋という短走路だけに自身がそのまま勝つ可能性も十分にある。若手からベテランまで、すべての選手が優勝の可能性を秘めてがむしゃらに走る、寛仁親王牌の4日間を楽しみましょう♪

参考

ウィンチケット 競輪
https://www.winticket.jp/keirin/
前橋競輪 データ
https://www.winticket.jp/keirin/maebashi/
前橋競輪出走表 データ
https://www.winticket.jp/keirin/maebashi/racecard
前橋競輪オッズ データ
https://www.winticket.jp/keirin/maebashi/odds
前橋競輪予想 データ
https://www.winticket.jp/keirin/maebashi/predictions

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