競輪コラム

2020年競輪 特別競争振り返り

2020年 競輪特別競争振り返り

「KEIRINグランプリ2020」和田健太郎選手が初出場初優勝を果たし、競輪界のフィナーレを飾ってくれました。

2020年はコロナ禍という困難な状況が続いたにもかかわらず、関係者の方々による万全な感染予防対策によって、数々のレースが開催されました。選手もファンを励ましてくれるような力強い走りを見せてくれて、まさに「ヒトは、強い。」ことを感じさせてくれました。

中でもトップ選手が迫力満点のレースを展開したビッグレースの決勝は思い出深いものがあります。開催順に振り返っていきましょう。

■G1・第35回「全日本選抜競輪」豊橋競輪場 2月8日(土)~11日(火・祝)開催

全国8地区の成績上位者が競い合うG1。地区代表戦とも言える戦いが3日間行われ、決勝に残ったのはこちらの9名だった。

①番車:佐藤慎太郎(SS・福島・78期)
②番車:村上博幸(SS・京都・86期)
③番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
④番車:和田健太郎(S1・千葉・87期)
⑤番車:平原康多(SS・埼玉・87期)
⑥番車:山田英明(S1・佐賀・89期)
⑦番車:郡司浩平(SS・神奈川・99期)
⑧番車:三谷竜生(S1・奈良・101期)
⑨番車:清水裕友(SS・山口・105期)

前年より競輪界を席巻していた“中国ゴールデンコンビ”こと、③松浦と⑨清水が人気の中心。Sを取ったのは⑧三谷で、次いで②村上、③松浦、①佐藤の順。並びはこの四分戦になった。

⑧②・③⑨・⑤①・⑦④・⑥

最初に動いたのは⑦郡司。赤板ホームで⑧三谷を切って先頭へ。続いた⑤平原がさらに前へ出る。2コーナーを使って踏み出し、打鐘で⑧三谷が出たところをさらにアウトから③松浦がカマして出切るといった目まぐるしい展開の末、最終ホームはこの並びに。

③⑨・⑧②・⑥・⑤①・⑦④

そのまま一気に逃げる③松浦。バックまでこの形のままだったが、捲りに出たのは単騎の⑥山田。合わせるように番手発進する⑨清水。後ろから襲いかかってくる⑤平原。⑨清水、⑥山田、⑤平原の順に直線に入って、最初にゴール線に飛び込んだのは……⑨清水だった。

最後に⑤平原が⑥山田を差しての⑨⑤⑥。2車単1,070円、3連単7,170円の配当。

清水裕友はG1初タイトルを獲得し、年末のGP出場権獲得一番乗りを果たしたのであった。

■G2・第4回「ウィナーズカップ」福井競輪場 3月26日(木)~29日(日)開催

その名の通り、勝者=1着回数の多い選手を集めて行われる大会。ヤンググランプリ参戦選手も集められるため、自力型が揃った戦いとなり、決勝に残ったのはこちらの9名だ。

①番車:清水裕友(SS・山口・105期)
②番車:吉田敏洋(S1・愛知・85期)
③番車:守澤太志(S1・秋田・96期)
④番車:古性優作(S1・大阪・100期)
⑤番車:原田研太朗(S1・徳島・98期)
⑥番車:柏野智典(S1・岡山・88期)
⑦番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
⑧番車:高橋晋也(S2・福島・115期)
⑨番車:和田健太郎(S1・千葉・87期)

またもや揃って決勝に乗ってきた中国ゴールデンコンビが人気の中心。今回は①清水が前で⑦松浦が後ろ。その後ろに⑥柏野までついて、唯一の3車ラインだ。スタートで飛び出したのは③守澤。①清水、②吉田が続く。並びはこちらに。

⑧③・⑨・①⑦⑥・②・④・⑤

ビッグ初出場のS2⑧高橋が正攻法でつっぱるのかどうかというところで、打鐘前2コーナーから最初に動いたのは①清水。⑧高橋はつっぱらずに引いて、最終ホームはこの形。

①⑦⑥・②・④・⑧③・⑨・⑤

最終バックで⑧高橋が踏み上げたところに合わせて⑦松浦が発進。⑦松浦、⑧高橋の並びで直線に入り、そのまま……⑦松浦の優勝!

⑧高橋の番手③守澤が最後に差しての⑦③⑧。2車単1,380円、3連単12,800円の高配当となった。

中国ゴールデンコンビは今回、松浦の番だったという感じのレースだった。

■G1・第74回「日本選手権競輪」静岡競輪場 5月5日(火)~10日(日)開催予定

新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、残念ながら中止に。

■G1・第71回「高松宮記念杯競輪」和歌山競輪場 6月18日(木)~21日(日)

東日本代表と西日本代表が争う東西対抗戦の「宮杯」。東京五輪が延期となったこともあり、脇本雄太選手と新田祐大選手も参加してSS9名勢揃いとなった戦いで決勝に残ったのはこの9選手だ。

①番車:佐藤慎太郎(SS・福島・78期)
②番車:脇本雄太(SS・福井・94期)
③番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
④番車:稲川翔(S2・大阪・90期)
⑤番車:平原康多(SS・埼玉・87期)
⑥番車:芦澤辰弘(S1・茨城・95期)
⑦番車:新田祐大(SS・福島・90期)
⑧番車:稲垣裕之(S1・京都・86期)
⑨番車:和田健太郎(S1・千葉・87期)

②脇本と⑦新田の東西2強対決に注目が集まったが、3日間すべて1着を並べてきた②脇本のほうが人気に。完全優勝となるのか。スタートで行ったのは①佐藤。⑥芦澤が続いたが③松浦が内から取る。結果、この4分戦並びに。

⑦①・③⑨・⑤⑥・②④⑧

赤板で車間を開け始める位置取り巧者の⑤平原。③松浦も同じく車間を空けて波を作り、後団の近畿ラインをけん制する中、一気に踏み上げる②脇本。合わせる⑤平原。⑧稲垣の前に入り、⑥芦澤が離れて最終ホームで……。

②④⑤⑧・・・

という並びになったところで、③松浦が強襲。一気に②脇本まで届きそうになったところで番手の④稲川が横に張って一仕事。②脇本、③松浦の並びで直線に入り、そのまま逃げ切った……②脇本の優勝!

最後に⑨和田が追い込んで③松浦を差し、②⑨③。2車単1,800円、3連単4,740円の配当となった。

2020年、一発目の“競輪”で完全優勝を成し遂げた脇本選手の強さを改めて思い知らされたレースである。

■G2・第16回「サマーナイトフェスティバル」いわき平競輪場 7月10日(金)~12日(日)開催

真夏の夜の祭典。“夜王”の称号を求めて集いし者達の最終決戦に駒を進めたのはこの9名だった。

①番車:佐藤慎太郎(SS・福島・78期)
②番車:郡司浩平(SS・神奈川・99期)
③番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
④番車:岩津裕介(S1・岡山・87期)
⑤番車:稲川翔(S2・大阪・90期)
⑥番車:内藤秀久(S1・神奈川・89期)
⑦番車:新田祐大(SS・福島・90期)
⑧番車:吉澤純平(S1・茨城・101期)
⑨番車:清水裕友(SS・山口・105期)

中国ゴールデンコンビに④岩津を加えた強固な3車ラインに、2019年のGPを制した福島コンビと神奈川両者がどう挑んでいくかが勝負の見どころ。スタート行ったのは①佐藤が前を取るかと思いきや、その後から行った⑨清水がS取り。①佐藤、②郡司と続いてこの並びに。

③⑨④・⑦①・⑤・②⑥・⑧

残り3周、青板バックから早めに動いて行ったのは②郡司。③松浦にフタをしながら赤板ホームで誘導をどかして②郡司が前に。単騎の⑤稲川が付いていって打鐘を迎えたところで③松浦が先行勝負に出るが、④岩津が付いていけずに⑥内藤と絡んで落車転倒。③⑨②の並びとなった上から⑦新田が最終バックで発進し、一気に捲り切ったものの、その後方から番手発進した⑨清水が直線で捕らえて……優勝!

⑦新田が2着残し、⑤稲川が追い込んできての⑨⑦⑤。2車単1,630円、3連単20,290円の高配当に。

清水はG1に続いてG2制覇となった。

■G1・第63回「オールスター競輪」名古屋競輪場 8月12日(水)~16日(日)開催

投票によって出場選手が決まる人気選手の祭。ファンの期待を背負って走り、決勝まで残ったのはこの9名だった。

①番車:古性優作(S1・大阪・100期)
②番車:諸橋愛(S1・新潟・79期)
③番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
④番車:守澤太志(S1・秋田・96期)
⑤番車:山田英明(S1・佐賀・89期)
⑥番車:柏野智典(S1・岡山・88期)
⑦番車:脇本雄太(SS・福井・94期)
⑧番車:内藤秀久(S1・神奈川・89期)
⑨番車:原田研太朗(S1・徳島・98期)

準決勝でバンクレコードタイ記録を叩き出した⑦脇本。ファン投票1位が優勝という美しい結果となるのか。勢いよくスタートで出たのは⑤山田。同期の⑧内藤が続いてSを取った。後ろはけん制が入るも、⑦脇本選手が行って並びはこのように。

⑤⑧・⑦①④・⑨③⑥・②

青板バックで⑨原田が上昇。⑦脇本はすんなり引いて、いつもの後団へ。そのまま⑨原田が⑦脇本をけん制しながら打鐘を目がけて一気に叩きに行く。その後ろから⑦脇本が外を踏み上げて行ったところで③松浦がブロックしてそのまま内で粘る。粘って、もがいて、粘りきって……③松浦の優勝!

⑦脇本が2着残し、3着は番手①古性が続いて③⑦①。2車単1,940円、3連単6,210円の配当だ。

松浦は2年連続でのGP出場権を獲得した。

■G2・第36回「共同通信社杯」伊東競輪場 9月18日(金)~21日(月・祝)

「開催当年より遡って8年前までに旧競輪学校ないし日本競輪選手養成所を卒業した選手」を優先的に選出することから「若手の登竜門」的大会になっている共同通信社杯。シードなき3日間を勝ち上がって決勝進出を果たした9名がこちらだ。

①番車:新田祐大(SS・福島・90期)
②番車:脇本雄太(SS・福井・94期)
③番車:山崎賢人(S1・長崎・111期)
④番車:岩本俊介(S1・千葉・94期)
⑤番車:山田英明(S1・佐賀・89期)
⑥番車:中本匠栄(S1・熊本・97期)
⑦番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
⑧番車:園田匠(S1・福岡・87期)
⑨番車:吉澤純平(S1・茨城・101期)

3連勝で勝ち上がってきた①新田と②脇本の一騎打ちになるのか。唯一、ラインを形成することになる九州勢が待ったをかけるのか。最初に出たのは⑥中本でそのままSを取り、並びはこちらに。

③⑤⑥⑧・⑦・①・⑨・④・②

九州ラインvs単騎5選手という構図。赤板ホームまでは誰も動かず、誘導が外れたところで②脇本が一気のスパート。③山崎も合わせて踏み上げ、⑤山田がブロックして②脇本は後逸。⑥中本にもブロックされて②脇本は万事休す。最終バックで⑦松浦が出ようとするも⑤山田が出て抑える。その上を①新田が捲ろうとするが、⑤山田がブロック。その内を⑥中本がすくおうとするのもブロックして、ゴール線を1着で通過するも……失格。①新田をブロックしたときに⑨吉澤が落車転倒するアクシデントがあったのだが、そこの反則を取られた。結果、2着で入線した……⑥中本の優勝!

⑦松浦が追い込み⑧園田を差して⑥⑦⑧。2車単32,560円、3連単196,380円の特大高配当!!

失格もあったが、ラインで勝つのが“競輪”というレースであった。

■G1・第29回「寛仁親王牌・世界選手権記念」前橋競輪場 10月15日(木)~18日(日)

初日の第12RにSS9名が揃い踏みとなり、GP出場のためにひとつでも上に行きたいという気迫が選手たちにみなぎっていた寛仁親王牌。決勝に残ったのはこのメンバーだ。

①番車:脇本雄太(SS・福井・94期)
②番車:山田英明(S1・佐賀・89期)
③番車:郡司浩平(SS・神奈川・99期)
④番車:東口善朋(S1・和歌山・85期)
⑤番車:新田祐大(SS・福島・90期)
⑥番車:山田庸平(S1・佐賀・94期)
⑦番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
⑧番車:橋本強(S1・愛媛・89期)
⑨番車:守澤太志(S1・秋田・96期)

圧倒的な逃走劇で決勝まで駆け上がった①脇本に人気が集中。④東口ですら付ききれるかどうかという仕上がりっぷりに他の選手はどう対抗していくのか。スタートは⑤新田が取りに行くという予想だったが、号砲と同時に全員がけん制。結果、①脇本が出されそうになったところを⑦松浦が取って、この並び。

⑦⑧・⑤⑨・③・①④・②⑥

青板ホームから②山田英明⑥山田庸平の山田兄弟が抑えに行く。単騎の③郡司が続くと、⑦松浦が一旦引いて3車が誘導の後ろに。すぐさま誘導を外して出る⑦松浦。最後方から①脇本も踏み上げてくる。追う⑤新田。⑨守澤の口が開いて、最終ホームは①④⑤の順に。最終2コーナーではなくバックから仕掛けた⑤新田。案の定、④東口でさえ引き離されていく強烈な脚でグイグイ逃げていき……①脇本の圧勝劇!

口が開いた④東口に⑤新田が届いて①⑤④。2車単720円、3連単4,500円という配当に。

脇本の圧倒的な強さが際立った大会となった。

■G1・第62回「競輪祭」小倉競輪場 11月18日(水)~23日(月・祝)

2020年最後のG1。GPに出場するための最後の戦いで勝ち残り、“競輪王”の称号まであと一歩のところまで登り詰めた決勝進出者はこの9名だ。

①番車:新田祐大(SS・福島・90期)
②番車:古性優作(S1・大阪・100期)
③番車:平原康多(SS・埼玉・87期)
④番車:松井宏佑(S1・神奈川・113期)
⑤番車:諸橋愛(S1・新潟・79期)
⑥番車:鈴木庸之(S2・新潟・92期)
⑦番車:和田健太郎(S1・千葉・87期)
⑧番車:稲川翔(S1・大阪・90期)
⑨番車:郡司浩平(SS・神奈川・99期)

若手ナンバー1の④松井が決勝に乗ってきたことで、⑨郡司が優勝候補筆頭となった。残念ながら準決で失格となってしまった松浦悠士、落車して途中帰郷した脇本雄太がいないこともあり、一番の敵は①新田というところだが、単騎では分が悪いか……。スタートは内枠3車が取り合う形に。単騎で勝負所を見極めるにはどうしてもSを取りたい①新田が前になり、この並びとなった。

①・⑥③⑤・②⑧・④⑨⑦

残り2周の赤板、④松井よりも先に動いたのは②古性。その先に④松井を出させて中団を取りに行く動きだったが、⑦和田が遅れたため3番手に収まるという幸運。④⑨②の順で最終ホームを過ぎる辺りで⑥鈴木が②古性のところを外から取ろうとするも、取りきれず。その隙に最終バックで番手発進した⑨郡司。競り合いで脚を使ってしまった②古性が沈んでいくのを横目に捲る③平原。⑨郡司と③平原の一騎打ちの結果は……⑨郡司の優勝!

2着は③平原。3着は外から追い上げてきた⑧稲川で⑨③⑧。2車単2,200円、3連単26,820の高配当に。

郡司は「無冠の大器」の名を返上し、“競輪王”になった。

■GP・「KEIRINグランプリ2020」平塚競輪場 12月30日(水)

競輪祭の結果を受けて出揃った出揃ったトップ9選手。この中から2020年競輪界の王者が決まる。

①番車:郡司浩平(SS・神奈川・99期)
②番車:脇本雄太(SS・福井・94期)
③番車:松浦悠士(SS・広島・98期)
④番車:和田健太郎(S1・千葉・87期)
⑤番車:清水裕友(SS・山口・105期)
⑥番車:守澤太志(S1・秋田・96期)
⑦番車:平原康多(SS・埼玉・87期)
⑧番車:新田祐大(SS・福島・90期)
⑨番車:佐藤慎太郎(SS・福島・78期)

出場選手が出揃った際、最大の関心事となったのは「平原は脇本の番手に付けるのか」ということ。結果、前夜祭で平原は脇本の番手を主張したことで、他の選手たちは戦法を変えることを余儀なくされただろう。2020年ファイナルの号砲と共に飛び出すのは⑥守澤が予想されていたが、出たのは③松浦。内から①郡司も抜けて出て、並びはこうなった。

③⑤・①④・⑧⑨⑥・②⑦

誰もが赤板ホームから②脇本が出てくるだろうと注目する中、動かず。①郡司が何度もけん制していたが、②脇本が出たのは打鐘前2コーナー。打鐘で出切ったところで③松浦が番手に飛び付こうとするも不発。最終ホームは……。

②⑦・③⑤・①④・⑧⑨⑥

2コーナーから①郡司が捲りを放ったが⑤清水がブロック。続いて③松浦もブロックしているところで内を突く⑤清水。アウトに出して⑦平原の外から捲ろうとしたがブロックされてしまう。その隙に内から上がってきたのは、④和田。②脇本粘るも伸びて、伸びて……④和田の優勝!

②脇本が2着を残し、⑨佐藤がいつのまにか追い上げてきていて④②⑨。2車単20,020円、3連単221,650円というビッグな配当となった。

まさかまさかの初出場初優勝というフィナーレ。来年2021年の1年間、赤パンを履いて1番車に乗り続けることになったのは、千葉の和田健太郎である。

以上、2020年のビッグレースを振り返ってきましたが、いかがだったでしょうか?

ビッグレース以外にもいろいろ思い出深いレースはあったはずです。その興奮を胸に、2021年は本場にて全力で応援できることを祈りつつ、これからも競輪を楽しんでいきましょう!

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