競輪コラム

競輪選手は宿舎でどんな過ごし方をするの?「外部とは接触禁止」の選手生活

競輪のシリーズが開催中、選手たちが過ごす宿舎がどのような場所なのかご存じでしょうか。

宿舎はレースに出場する前に、身体のコンディションを整えたり、自転車の整備をしたりする大切な場所です。また公営競技でもある競輪では、公平性を保つ理由から選手たちに対して厳しいルールがあり、宿舎での生活も特殊なものになっています。

そこで本記事では、競輪選手の宿舎はどのような場所なのか、宿舎での過ごし方についてご紹介します。

競輪選手の宿舎とは?

競輪選手の宿舎とは、競輪のレースが開催されている期間に選手たちが生活をする寮のような場所です。寮といっても楽しい学生寮のような雰囲気ではなく、規律が厳しく、レースを控えた選手たちは神経質になっています。

競輪選手たちはレースが開催される数日間は自宅ではなく、宿舎に入って生活を送ることが義務となっており、その内部の生活はほとんど公開されていません。

選手たちのブログなどを愛読している方は、宿舎の生活風景や食事姿などを少し見たことがあるかもしれませんが、すべてを見ることはできないでしょう。

こちらでは、宿舎に入った選手たちはどのような生活を送っているのか、宿舎に入るタイミングや、宿舎でのルールについてご紹介します。

競輪選手たちが宿舎に入るタイミング

競輪選手たちは、自分が出走予定のレース開催前日に受ける前日検査から開催期間が終了するまで宿舎で生活します。宿舎に入る前には必ず、参加登録という作業を済ませて宿舎に入るように義務付けられています。

前日検査と参加登録は非常に大切で、参加登録をパスしない選手は寮に入ることができません。つまりレースで走ることもできなくなってしまいます。

また検査は時間厳守でおこなわれ、遅刻すればペナルティを受ける場合もあります。

身体検査と自転車の組立検査が必須

<佐藤慎太郎選手>

宿舎に入る前に、身体検査と自転車の組立検査が実施されます。これを前日検査といって指定の場所に時間厳守で集まり、身体や自転車に不正などはないか確認します。

自転車の検査は、JKAが指定している規定部品で構成されているのか、タイヤの擦り減り、亀裂など細かい部分までチェックされます。自転車の不備があった場合、タイヤのみ検査場の売店で購入して再検査が認められています。

また、身体検査では医師による血圧検査があり、規定の数値を超えると不合格になる場合があります。

さらにランダムで薬物検査(ドーピング検査)も実施され、禁止薬物を使用していた場合、罰則や除名などの処分になる場合も。禁止薬物といっても、筋肉増強剤のような薬物だけでなく、風邪薬や持病の薬にも禁止薬物が含まれている場合があるので、選手たちはレース前に気軽な気持ちで薬を飲むことはできません。そういう意味でも、レース前の体調管理はとても大切です。

前日検査は非常に重要で、いかなる理由があっても検査を受けずに宿舎へ入ることは絶対にできません。

過去には、宅配業者のミスにより自転車が前日検査までに届かず、数名の選手が宿舎に入れなかったケースがありました。

これは運営や選手のミスではありませんが、そのような理由でも宿舎に入れず、レースに出場できなくなってしまうのです。

競輪選手宿舎の厳しいルールは八百長防止のため

宿舎に入る際の選手たちは、スマートフォンなどの電子通信機器を持ち込むことは一切できません。競輪は公営競技のひとつなので、公平性を保つために外部との接触や連絡を一切禁止しています。

内部の情報が競輪選手から漏れてしまうと八百長などの疑惑がでてしまうため、厳重な管理のもと、情報漏えいを防いでいます。

宿舎に入る際に電子通信機器を預けなかったり、隠し持っていたりすると、登録抹消などの重い処分をくだされる場合があります。

また、食べものの持ち込みや差し入れなどもドーピングの観点から一切禁止となっており、宿舎の食堂で作られたものしか食べることしかできません。

過去に女子競輪の選手がスマートフォンを持ち込み、1年間の斡旋停止処分となった事例もあります。たった一度の持ち込みで1年間レースに出走できないという処分の重さに驚きを隠せないファンもいました。

競輪選手の宿舎での過ごし方は忙しい!?

競輪選手はレース期間中に宿舎でゆっくりしている時間はあまりありません。

そもそも競輪選手はレースで勝つために宿舎に入っているため、肉体のトレーニング、精神面の調整、自転車の調整などを必死におこないます。

こちらでは、競輪選手が宿舎でおこなう作業についてご紹介します。

レース期間中は自転車の調整で忙しい!

やはり競輪選手の命は自転車です。レースで勝つためには自転車の整備が最も重要になります。

開催期間中は競輪場の特徴、天候、自分のコンディションに合わせた調整をおこない、レース本番で最大限の力を発揮できるようにしなくてはいけません。

そのため、選手たちは自転車の整備に一番時間をかけています。

競輪選手は初戦で走ったレースの感覚を次の日に必ず活かして走るため、一緒に走る選手のギア比やほかの選手の走り方を観察します。そして、事前に戦略を立てて次の日のレースに合わせた調整をおこないます。

また調整後は、練習用のコースで走ってコンディションを確認し、調整が必要な箇所は再調整をおこない、満足いく調整ができるまで繰り返します。一度の調整で満足いくものにはならず、何度も繰り返して調整する姿からはレースに命をかける強い気持ちが伝わってくるでしょう。

時間ができたらマッサージや読書、写真撮影などをする選手もいる

自転車の整備やトレーニングが終わり、時間ができたら肉体疲労を軽減させるためにマッサージなどをおこないます。

競輪選手は自分の身体が資本になるので、レース期間中に怪我や痛みなどが出ないようにコンディションを整えるのも仕事です。もちろん高年齢の選手や過去に事故をしている選手は、古傷が悪化する場合もあるでしょう。

疲労に関しては、1日目より2日目、2日目より3日目と疲労は蓄積していくので、少しでも身体をリフレッシュさせて、全力でレースに挑めるように調整します。

また、精神面のリラックスも重要な仕事です。選手たちは成績によっては競輪選手を引退に追い込まれるリスクを常に抱えて走っています。そのため精神的なストレスや不安を抱える選手も多く、大きなレースではさらに精神面を追い詰められることもあります。そのため、時間ができたときには読書をしたり、睡眠をとったりとそれぞれ好きなことをしてリフレッシュします。

宿舎は通信機能がないデジカメなどは持ち込めるため、息抜きにブログ用の写真などを撮影したり、同期と会話を楽しんだりしてリラックスする選手もいます。

競輪選手は宿舎にいる間は常にレースを意識している

レース期間中の競輪選手は宿舎で過ごし、外部との接触や連絡が一切禁止となり、自分自身と向き合いながらレースに挑んでいます。

選手の最大の目的はレースで勝つことが基本となり、宿舎内でも選手たちは必死に自転車の調整やトレーニングに励んでいるのが実態です。競輪選手は表舞台となるレースだけではなく、宿舎でも競輪選手としてのプライドをかけて生活しています。

表舞台のレースで激しい戦いを繰り広げるためには、宿舎での生活も重要な要因です。そのような内情を知って、ぜひ今後も勝負の世界で活躍する競輪選手を応援していきましょう。

参考 : WINTICKET 競輪勉強シリーズ

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