競輪コラム

【大会展望】第64回 2021オールスター競輪(G1)

SS選手が勢揃い!ファンに選ばれたトップ選手が集う真夏の夜の夢舞台!

第64回『オールスター競輪(G1)』 in いわき平競輪場

第1回が開催されたのは1956年(昭和31年)5月のこと。当時は『全国オールスター争覇競輪』という名称だったが、1964年(昭和39年)の第9回大会から『オールスター競輪』と名を改め、今なお続く、伝統のビッグレースである。

2005年(平成17年)の第48回大会から従来の6日制を5日制にして行われてきたが、今大会より6日制に戻される。8月10日(火)から15日(日)の6日間。しかもナイター開催として生まれ変わるのである。

闘いの舞台は3年ぶり8回目となる、いわき平競輪場。そう、ビルの3階相当まで走路が持ち上げられた天空のバンクで、真夏の夜に光り輝くスターとなるのは誰だ!

脇本雄太新田祐大が久々の参戦!
S級S班勢揃いでまさにオールスター!!

今年の4月29日(木)から5月14日(金)までの間にインターネット等で行われたファン投票の上位50名をメインに選抜された選手たち。その投票で上位9名は初日最終第10Rの「ドリームレース」、10位から18位までの9名は2日目第10Rの「オリオン賞レース」という特別選抜予選に出場することになる。

ファン投票結果(男子) 1位~9位 ドリームレース出場予定選手

1位 平原康多選手(SS・埼玉・87期) 12,652票獲得
2位 松浦悠士選手(SS・広島・98期) 12,353票獲得
3位 脇本雄太選手(SS・福井・94期) 12,003票獲得
4位 郡司浩平選手(SS・神奈川・99期) 11,442票獲得
5位 清水裕友選手(SS・山口・105期) 10,491票獲得
6位 新田祐大選手(SS・福島・90期) 9,972票獲得
7位 佐藤慎太郎選手(SS・福島・78期) 7,086票獲得
8位 深谷知広選手(S1・愛知・96期) 5,757票獲得
9位 守澤太志選手(SS・秋田・96期) 5,316票獲得

昨年1位だった脇本雄太選手の獲得票数が7,410票だったことを考えると、投票自体が大幅に増えていることがうかがえる。競輪人気の表れか。

東京2020大会明けの脇本&新田選手が無事参戦し、この9名で走るならば並び予想は以下になる。

脇本-平原・松浦-清水・深谷-郡司・新田-佐藤-守澤

4年ぶりにファン投票1位に返り咲いた平原選手と同じ関東地区の選手がおらず。同様に近畿地区1名となった脇本選手とラインを組むことが予想される。昨年のプランプリの再現。気がかりなのは平原選手の体調だ。

練習中の骨折で高松宮記念杯久留米記念と欠場し、函館サマーナイトで復帰したかと思いきや、準決でまさかの落車。富山記念を欠場して、再びの復帰戦となる。どれだけ脚が戻っているだろうか……ただ、男気あふれる選手だけに、ファンの期待に応える走りをしてくれるだろう。

一方、脇本選手は東京2020大会最終日の8月8日(日)までレースをして、翌日前検という過密スケジュール。フィジカルはピークに持っていっているだろうが、疲労は残っているはず。

新田選手も同様のスケジュールになるが、こちらは地元バンク。地元先輩の佐藤選手と同地区の守澤選手を引き連れて、意気揚々と捲り上げるだろう。

そんなナショナルチーム組に好き勝手はやらせないと踏んでくるのが深谷選手や清水選手。そこに乗ってくるのが郡司選手や松浦選手なのだから、一筋縄ではいかない一戦であり、競輪ファンとしては初日から最高の"オールスター"を存分に味わえる。

そして2日目は去年とはかなりメンバーの異なる オリオン賞が待っている。

ファン投票結果(男子) 10位~18位 オリオン賞レース出場予定選手

10位 和田健太郎選手(SS・千葉・87期) 4,806票獲得
11位 浅井康太選手(S1・三重・90期) 4,702票獲得
12位 諸橋愛選手(S1・新潟・79期) 2,574票獲得
13位 村上義弘選手(S1・京都・73期) 2,554票獲得
14位 寺崎浩平選手(S2・福井・117期) 2,409票獲得
15位 北津留翼選手(S1・福岡・90期) 2,404票獲得
16位 古性優作選手(S1・大阪・100期) 2,348票獲得
17位 神山雄一郎選手(S1・栃木・61期) 2,347票獲得
18位 山崎賢人選手(S1・長崎・111期) 2,241票獲得

こちらは選手の脚質が偏っているが、恐らく以下のような並びが予想される。

寺崎-古性-村上・山崎-北津留・諸橋-神山・浅井・和田

唯一、まともな選手構成になるのが近畿ライン。若手強力機動型の寺崎選手が大逃げを打てば、古性選手が早めの番手捲りで村上選手とのゴール前勝負が本命になるだろう。

そうはさせじと仕掛けてくるのが山崎選手。宮杯、サマナイと決勝進出した脚はホンモノ。波はあるものの自力のある北津留選手がキッチリ付いて行けば、飛び出しでチャンスが向く。そこがさらにごちゃつけば、浅井選手が一気に抜け出したり、展開を読んだ諸橋選手や和田選手の追込みも見えてくる。こちらも好勝負が期待できる一戦だ。

2006年(平成18年)10月にリニューアルしたいわき平の走路は400バンクの中で3番目に直線が長い(62.7m。1番長い武雄が64,4m、1番短い佐世保が40.2m)。追込みが利く。また、バンクの外周がポリカーボネート版で囲まれているため、風の影響を受けやすい。夏場はほとんど風はないが、強い低気圧の影響で吹き込むことがある。向かい風になれば1周すべてで向かい風が巻き込み、先行の脚はさらに使わされることを覚えておこう。

さて、その一戦の後、2日目最終第11Rは『ガールズケイリンコレクション2021 いわき平ステージ』の「アルテミス賞レース」が行われる。前述した男子選手のファン投票と同期間で行われたガールズ選手のファン投票で8位から14位になった選手が出場する一発勝負のレース。メンバーはこのようになっている。

ファン投票結果(女子) 8位~15位 アルテミス賞レース出場予定選手

8位 山原さくら選手(高知・104期) 3,565票獲得
9位 佐藤水菜選手(神奈川・114期) 3,557票獲得
10位 梅川風子選手(東京・112期) 3,225票獲得
11位 久米詩選手(静岡・116期) 3,116票獲得
12位 石井貴子選手(東京・104期) 3,089票獲得
13位 梶田舞選手(栃木・104期) 2,725票獲得
14位 高木佑真選手(神奈川・116期) 2,442票獲得

佐藤選手と梅川選手の対決が見どころとなる一戦だが、他の選手も強者揃い。Sを取りに行く梶田選手のさらに前に出る石井選手がレースを組み立てるだろう。最初に仕掛けるのは高木選手か久米選手か。それでもけん制し合う梅川選手と佐藤選手を横目に山原選手が早めに動き出してくるところを石井選手が受け止めて……なんていうレース展開が見えてくる。

いい意味でガールズケイリンらしからぬ、展開の妙が楽しめそうなメンバーだ。

そして翌日3日目の最終第11Rはガールケイリンのファン投票トップ7、言うなればガールズケイリンの"神7"が競い合う「ドリームレース」である。

ファン投票結果(女子) 1位~7位 ドリームレース出場予定選手

1位 児玉碧衣選手(福岡・108期) 11,376票獲得
2位 高木真備選手(東京・106期) 8,889票獲得
3位 石井寛子選手(東京・104期) 6,015票獲得
4位 小林優香選手(福岡・106期) 5,187票獲得
5位 石井貴子選手(千葉・106期) 5,116票獲得
6位 荒川ひかり選手(茨城・110期) 5,081票獲得
7位 太田りゆ選手(埼玉・112期) 3,838票獲得

昨年の5,347票の2倍以上を獲得して、5年連続1位に輝いた女王・児玉選手……なのだが、7月の函館サマナイと同日程で行われた『ガールズケイリンフェスティバル』では初日7着、2日目4着で決勝進出を逃し、最終日も2着というまさかの凡走。「私ってこんなに弱かったんだ……」とコメントしていたが、次走の静岡では3日連続で1着の完全優勝を果たしている。さて、今回はいかに.

その函館で優勝した石井寛子選手がSを取って主導権を握るだろう。荒川選手がそこに付けるか、骨折明けの石井貴子選手も狙って行くか。

後方に構えるのが児玉選手に高木選手、太田選手。そして五輪からそのまま乗り込んでくる、児玉選手の永遠のライバル・小林選手。誰が最初に動くのか、誰が最初に仕掛けるのか……これを考えるだけでもワクワクしてしまう一発勝負である。

ガールズが終わって4日目はオールスター二次予選と、一次予選で合計ポイントが上位9位以内の選手で行われる「シャイニングスター賞レース」がある。

前回大会までの「ドリーム」「オリオン賞」上位入賞者がそのまま準決確定の「シャイニングスター賞」へ進出するのではなく、すべての選手が対象となり、獲得ポイントで出場が決まる。「ドリーム」と「オリオン賞」出場選手はポイント優遇されるが、楽ではないことをお忘れなく。

その後、5日目準決勝、最終日決勝で頂点に立つ者が決まる。

高橋晋也選手(S1・福島・99期)という強力な機動型まで兼ね備えた地元地区・北日本がやはり有利なのか。それとも吉田拓矢選手(S1・茨城・107期)や佐々木悠葵選手(S2・群馬・115期)を利する関東優勢か。

南関には松井宏佑選手(S1・神奈川・113期)がいる。中部にはサマナイ2着の山口拳矢選手(S2・岐阜・117期)がいる。近畿の稲川翔選手(S1・大阪・90期)も侮れない。中四国の前は町田太我選手(S2・広島・117期)が引っ張り、後ろには近況絶好調の御大・小倉竜二選手(S1・徳島・77期)が控える。九州・山田英明選手(S1・佐賀・89期)のG1に掛ける思いは人並み以上だ。

どこを見てもトップ選手だらけ。今の競輪界でときめくスターが勢揃いする、真夏の夜の夢舞台を大いに楽しみましょう!!

※郡司浩平選手・北都留翼選手・高橋晋也選手・梅川風子選手 は欠場となりました

ウィンチケット編集部
WINTICKET(ウィンチケット)のコンテンツ編集チーム。初心者でも0からわかる記事を150本以上執筆した他、グレードレースを中心とした「WINTICKETニュース」、ABEMA 競輪・オートレースチャンネルでの番組の見どころをまとめたレポート記事の執筆を担当。

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